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「Sincerely / TRUE」「みちしるべ / 茅原実里」のMVを見ましょう~その魅力を語る記事

 2018年1月(冬クール)より放送予定のアニメ「ヴァイオレット・エヴァーガーデン

 放送に先駆けてOP主題歌、ED主題歌それぞれのMV(Short Size)が12月1日に公開されました。今回はそれぞれの感想をメインに、MVを見ましょう!と宣伝をする記事になります。

 以前1,2話の先行上映会に行った際の感想も書いているので良ければそちらも。

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Sincerely / TRUE

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クレジット

作詞:唐沢美帆 作曲:堀江晶太 編曲:堀江晶太, Evan Call
Guitar:神田ジョン
Bass:堀江晶太
Drums:岩田ガンタ康彦
Strings:室屋光一郎ストリングス
Flute & Piccolo:羽鳥美紗紀
Oboe:久寿米木知子

Piano:菊池亮太

 MVの段階で作詞者や作編曲者が分かっている曲はよくありますが各楽器の演奏者まで記載されていることは基本的になく、そういった部分を気にするオタクにも配慮されていてありがたいです。

 ベースは作曲者の堀江晶太自ら、PENGUIN RESEARCH繋がりでギターに神田ジョン。ドラムにはTRUEのサポートバンドでお馴染み岩田ガンタ康彦、ストリングスは茅原実里水樹奈々のサポートバンドの一員でもある室屋光一郎のストリングス隊、と露出の多いメンバーが多いため知っているファンのことを意識した記載でもありますね。

曲について

曲名、歌詞におけるテーマ性

 まず曲名でもあるSincerelyという単語。日本での「敬具」に該当する単語で手紙や電子メールでの結びの言葉として一般的に使われているものです。また、副詞として「心から、本当に」という意味もあるため手紙の最後に添えることで「真心をこめて」といった意味合いを持たせることにもなります。*1

 アニメの主人公であるヴァイオレットは物語開始時、言葉の意味自体は理解できているものの発言者が何を思ってそう言ったのか、どうしてその言葉を選んだのかといった感情、こころに関する部分への理解が浅い状態です。そういった部分の理解を深めることや言葉1つ1つの大切さを伝えていくこの作品において、ヴァイオレットだけでなくそれぞれのキャラクターや視聴者も感じることになるであろう何かを心から伝える大切さというテーマの1つを汲み取った曲名であると感じます。手紙が重要なアイテムとなる作品でもあるので単純に関連性のある単語だということも勿論忘れてはいけないでしょう。

 そしてそういったテーマを汲み取った歌詞。作詞家:唐沢美帆としても活動していて普段から言葉に触れる機会が多いTRUEですが動画内で「1つ1つの言葉を再確認しながら紡いでいった」と語っています。「さようなら」「ありがとう」といった身近に感じる言葉や作品のキーワードにもなっている「愛してる」といった言葉と改めて向き合い、その言葉から何を感じ何を想うのかを自分のこころに問いかける歌詞は聞き手にもその重さを訴えかけてきます。

 しかし「だけどひとりでは分からないことでもあるのかもしれない」という歌詞もあり、自己完結するのではなく誰かに伝える意味そこに乗せる想いといった部分にもアプローチしています。曲のクライマックスでは"私"の自問自答から前へ進んでいく様子や歌詞を通したTRUE自身の言葉への想いが何らかの形として表されている可能性もあり、フルバージョンで聞けるのが待ち遠しいです。

堀江晶太Evan Callが彩る壮大なバラード

 作曲者はTRUE楽曲では初となる堀江晶太。自身が所属するバンドPENGUIN RESEARCHの楽曲や「It's my CUE.(田所あずさ)」「Raise the FLAG(アイドルマスター ミリオンライブ!)」といった激しいロックや「恋(茅原実里)」「FEEL×ALIVE(佐咲紗花)」のような疾走感のある爽やかな曲が印象強いです。素直に耳に入ってくるけれど何故か癖になってしまうメロディラインと要所で縦に揃えて刻む独特のリズム感によって中毒者を大量発生させています。

 そんな堀江晶太が珍しく手掛けたバラードは非常に聞き取りやすい一曲となりました。ストリングスを始めとした他の楽器が細かい音符で動いていてもボーカルラインが全く埋もれること無く際立っていて、歌詞がストレートに染み込んできます。勿論TRUEの歌唱によるところもあるのでしょうが。

 そして作品の劇伴としても関わっているEvan Callを編曲として迎えることで壮大な一曲として仕上げます。先行上映会の記事でも少し書いていますが、関わった楽曲全てに壮大だなあという感想を言えば間違いないくらい壮大の権化みたいな人物です。

 クレジットで気付いていると思いますがこの楽曲の壮大さの源ともいえる特徴としてフルート、ピッコロ、オーボエといった管楽器を使用していることが挙げられます。ストリングスと相性の良い木管楽器により音の幅を広げ、またサウンド全体を包み込むようにして深みを増させています。オーボエは特徴的な良く抜ける音でメロディアスな旋律を演奏していますが、聞き手の意識を引く主張のある音ではなくあくまでボーカルラインを際立たせるためのバランスになっていたのが印象的です。

 MVではあまりしっかりは聞こえない2番ですがストリングスやベースラインがより激しく動いているように聞こえ、1番とはまた違った雰囲気になっている可能性があるためしっかり聞けるのが楽しみですね。

MVについて

 そんなSincerelyのMVですが、作品の世界観とリンクした構成になっています。

 ヴァイオレットが働く舞台にもなる代書屋(代筆屋)で手紙の代筆をしてもらった少年に注目したストーリーです。

 『想いを綴る、愛を知るために。』という作品のキャッチコピーを意識したような「愛」をテーマにした少年少女の成長を描いた物語になっているように感じますが、1番の段階ではまだ物語が始まったばかりといったところ。みちしるべのMVとも内容がリンクしているとのことなのでそこも楽しみにしたいです。

みちしるべ / 茅原実里

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クレジット

作詞:茅原実里 作編曲:菊田大介(Elements Garden)
Guitar:馬場一人
Bass:田辺トシノ
Drums:岩田ガンタ康彦
Piano:菊池亮太
Strings:室屋光一郎ストリングス

 こちらもSincerelyと同じく演奏者の記載があります。比べるとギターとベースが違いますね。

 ギターには茅原実里サポートバンドでお馴染み馬場一人、ベースには「けいおん!」を始め古いものから新しいものまで数々のアニソンで収録参加している田辺トシノを迎えます。

曲について

茅原実里の作詞が生み出す世界観

 自身の楽曲では何度か作詞担当したことがある茅原実里ですが、アニメタイアップの作詞を担当するのは今回が初。Sincerelyが作品の世界観やテーマを反映した歌詞だとするならば、こちらは作品の登場人物、特にヴァイオレットに注目し1キャラクターからの視点を持った歌詞と感じられます。豊かな感受性を持ち歌手として長い間自分を表現し続けていた茅原だからこそ書けた歌詞だと言えるでしょう。

 動画内で「ギルベルトとヴァイオレットの親子のような関係から感じる想いを込めて作詞した」と語っている茅原。物語開始時のヴァイオレットは4年間の大戦を共にしたギルベルトと離れ離れになり新しい生活に慣れるところから始まります。そんな離れ離れの2人が互いに想う様子、また微かに聞こえる2番では「孤独」という単語にもアプローチしているようでヴァイオレットに寄り添い包み込むような歌詞になっています。

 また、茅原自身が作品から感じた「大切な人の存在が人生の中で"みちしるべ"になり、前に進んでいくことができる」という想い*2は作品の垣根を越え、聞き手一人ひとりの胸に響くことでしょう。

 個人的な話になりますが先行上映会アニマ横浜でフルバージョンを聞いた際、大サビの「この街に生まれたのはあなたと出逢うため、この街に生まれたからあなたと出逢えた」というフレーズが非常に印象に残りました。このフレーズだけでもかなりエモーショナルなので作品や2番の歌詞を経てもっと化けてしまうと完全に破滅するしかなくなってしまいます。

菊田大介による作編曲

 今回作編曲を担当するのはElements Garden菊田大介。デビュー曲「純白サンクチュアリィ」や代表曲の「Paradise Lost」「TERMINATED」を始め数々のシングルやアルバム曲を手掛けた茅原実里楽曲には欠かせない作曲家です。

 スローテンポで1番ではピアノ伴奏のみのバラードですが1,3拍目を感じやすいビート感、高音に移る前の"タメ"等抑揚のあるメロディラインやその歌い上げは情趣を感じ、退屈することなく聞き入ることができます。

 1番ではピアノのみとなっていますが2番以降では他の楽器も聞こえ、収録に参加していた馬場一人も以下のようなツイートをしているため2番以降どう盛り上がっていくのかしっかりと聞けるのが楽しみです。

MVについて

 Sincerelyの欄でも記述した通りそちらの続きとなっていて、同様に作品の世界観とリンクした構成になっています。

 Sincerelyで登場していた少年少女が成長していたり歌詞に合わせたカットがいくつかあったりと考えられることがありそうです。が、正直なところSincerelyの2番以降のMVが分からないので物語が全く分かりません(笑)。

 これに関しては両方のMVをフルバージョンで見られるのを待つしかないですね。

おわりに

 ということで2曲の感想をメインに書いてきましたがいかがだったでしょうか。少しでもMVを見るぞ!となってしまえる記事になっていたら幸いです。

 推しであるTRUEさんと茅原実里さんがオープンエンドを飾ってしまうしアニメ本編への期待度も高いし完全にウキウキとなっています。アニメ放送もCD発売もとにかく楽しみですね。

 それでは読んでいただきありがとうございました。

 

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