「俺の立ち位置はココじゃない!(ガガガ文庫) / 宇津田晴」感想・レビュー
個人評価:★★★★☆
かわいらしい顔と低めの身長が愛らしい少年・須永公平。彼は「カッコイイ男(≒王子)」を目指して、高校デビューを目論んでいた。ところがどっこい、受かった先の高校で、いかにも王子なイケメン女子・新海光瑠にであってしまう。勝手に彼女をライバル扱いする公平だったが、その少女もまた、かわいいと思われたいのに王子扱いされてきた、可哀想な過去があり…?カッコイイ男になりたい「姫系男子」と、可愛い女の子になりたい「王子系女子」。二人の報われない少年少女が織りなす、立場入れ替え系残念学園ラブコメディ!!
男子校の中学時代、理想の女の子を求めて女子力を競うミステイクコンテストで3連覇を遂げた須永公平。友情に厚い男として男気を見せたつもりだったがその女子力の高さから学外でも"姫"として話題に。
姫の印象を払拭し男として頼りになる"王子様"として見てもらいたい。そんな思いから入学したのは「六花」と呼ばれる芸能人並の知名度を持ったアイドル集団が存在する雪峰学園。王子様として「六花」を目指そうと意気込んでいるなか出会ったのは同じような境遇で姫を目指す王子様系女子の新海光瑠。
…というような感じで大体タイトルとあらすじから思い浮かべられるような設定となってます。こういったスークルカースト的なものを扱う作品では初期の主人公の設定や立ち位置が重要になると思いますがそういった意味では新鮮みもあり非常に良かったと思います。
公平と光瑠が協力し知識の共有等をすることでお互いが王子様と姫として「六花」を目指すのが大筋ですが、お互いに逆の素質が溢れ出ていて高校に入っても公平は姫、光瑠は王子様として扱われてしまいます。しかしそんな中2人が苦手な事と真摯に向き合っていく姿は読み進めるにつれてどんどん引き込まれていきました。
主人公2人だけでなく「六花」もそれぞれ魅力的なキャラクターであり、目的がはっきりしているため非常に読みやすい作品でした。今後の展開も楽しみでこの2人が頑張っている様子をもっと見ていたいです。