ふるめも

アニメ、アニソン、ラノベ、イベントなどの感想、レビュー的なもの。

「年下寮母に甘えていいですよ?(ガガガ文庫) / 今慈ムジナ」感想・レビュー

個人評価:★★★☆☆

僕は四ノ宮優斗。高校生だてらに自立した立派な大人だ。ある日出会ったのは、中学生にしか見えない自称寮母の九段下あるて。あれよあれよと、彼女の学生寮に住むことになったのだが―。「これからは私があなたのおかーさんです♪」なぜか『おかーさん』呼びを強要してくる。しかもそれだけじゃない。「おかーさんの胸で甘えてくださいね?」…だから、自立した大人は年下の女の子に甘えたりしないんだって!頼むから帰ってきてくれ僕の平穏な生活!甘やかしたがり年下寮母と人生お疲れ高校生が織りなす新感覚バブコメ爆誕!

 タイトル詐欺ですね。タイトルとあらすじから予想する「バブみ」を感じるコメディ要素もありますがメインとなっているのは別の話。

 両親が不運な事故に遭ったきっかけが自分の我儘だと思い、そのことから誰にも頼らず貸し借りを作らない自立した生活を送ろうとしている主人公・四ノ宮優斗。そんな優斗が日和寮で"おかーさん"や他の寮生との暮らしで他人の温もりに触れていく物語です。

 ということでメインテーマ自体は良い雰囲気だったのですが展開にかなりクセがあるというか。主人公の拗らせ具合が書かれすぎていたためかストーリー本筋にあまり身が入らず、また個性のありそうなサブキャラクター達も何となく薄いまま終わってしまい残念でした。終盤が唐突なトンデモ展開で完全に置いていかれてしまいましたがテーマ性と序盤の展開からの期待はあったのでやや評価。とにかく人を選びそうな作品です。