ふるめも

アニメ、アニソン、ラノベ、イベントなどの感想、レビュー的なもの。

「いつかのクリスマスの日、きみは時の果てに消えて(ファミ通文庫) / 瀬尾つかさ」感想・レビュー

個人評価:★★★☆☆

 大災厄の日、悠太は不思議生物ニムエに命を救われた。高校生になった悠太は、そのニムエをきっかけにクラスで人気者の少女、恵と仲良くなる。ニムエが二体揃うと過去に戻れる事に気づいたふたりは、大災厄を回避し、亡くなった恵の幼馴染みを助けるため、過去を改変する。しかし改変後、銀髪の少女が現れて告げた。「恵は亡くなった」と…。今度は恵を助けるため、銀髪の少女と奮闘を始めた悠太に、残酷な選択肢が突きつけられるが―!

 過去改変モノ。5年前の大災厄を不思議な生物ニムエによって救われた梶谷悠太と同じような境遇の三嶋恵。2匹のニムエにより数分の間過去に遡行できることに気付いた彼らは、大災厄で亡くなった恵の親友である加賀玖瑠美を助けるために行動する。が玖瑠美を救う世界線に移行したら恵が亡くなっていて…といった流れ。

 記憶を保持する主人公が全てうまく行く世界線を探していく基本的な設定で且つ最低限の描写のみで物語がかなり淡々と進んでいくのでジャンルとして楽しめる作品でした。あとがきにもありましたが、ニムエと人間のありようが違いすぎることから概念や意志の共有ができているのかといった部分のぼかし方やアプローチは丁寧で、その辺りがこの作品の色でしょうか。