ふるめも

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「俺たちは異世界に行ったらまず真っ先に物理法則を確認する3(ファミ通文庫) / 藍月要」感想・レビュー

個人評価:★★★★★

「位置がわかんねえならGPSみたいなシステム作っちゃいましょ!」大精霊祭での活躍が注目されたギルド・オオヤマコウセンの面々は、国王から魔導具の祖ジーリンの情報と引き替えに“自動生成ダンジョン”の攻略を依頼される。その魔窟は、地形を変え続けることで難攻不落と言われていたが…。そして幹人と彼に積極的なザザ、それに焦る魅依、三人の関係の行方は―?さらに加速する高専生たちの普通じゃない超英雄譚、第3弾!

 大精霊祭の活躍がきっかけとなり国王から魔道具の祖ジーリンの情報と引き換えにダンジョン攻略を依頼される今巻。1,2巻とも結構面白く期待はしていましたが、想像を遥かに超える完成度で別格の面白さでした。

 これまでも魔法や巨大生物と十分異世界でしたがやはり異世界といったらダンジョンです。攻略することになったのは内部の構造が1日ごとにまったく違ったものへと変化する難攻不落のダンジョン。攻略していく過程のオオヤマコウセンらしいアプローチは相変わらず胸躍るものでどんどん読み進めたくなるものでした。が、今回特筆したいのはそのダンジョンの描写です。物体や床、壁などの描写が非常に丁寧で、大きさや色といった情報だけでなく素材を意識した表現や感触等も描写されているためその世界観により入り込むことができました。また、オオヤマコウセンにとってはそれらもまた必要な情報だと分かるので読んでいてもその形容がストレスになることも無かったです。

 ただでさえこのアプローチからのダンジョン攻略というだけで面白いのに人間関係も上手く掘り下げていて濃密な1冊となっていました。幹人-魅依-ザザと照治の掘り下げがメインでしたが個性ありまくりのサブキャラクター達の出番も多く、それぞれがそれぞれの信念の元に行動していく様そしてその熱量は本当に素晴らしいです。

 元の世界に帰るという目的が一貫しているため大きな展開としても読みやすく、手掛かりを掴んだ次巻以降もとにかく楽しみです。

 1,2巻の感想はまだ読書メーターに書いていた頃のものですが一応リンクを貼っておきます。

俺たちは異世界に行ったらまず真っ先に物理法則を確認する ふるさんの感想 - 読書メーター

俺たちは異世界に行ったらまず真っ先に物理法則を確認する2 ふるさんの感想 - 読書メーター