ふるめも

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「出会ってひと突きで絶頂除霊!(ガガガ文庫) / 赤城大空」感想・レビュー

個人評価:★★★★☆

―絶頂除霊。それは突いた相手を生者死者問わず絶頂させ、もののついでみたいに昇天させる猥褻能力。絶頂除霊などという呪われた能力を宿した少年・古屋晴久は、同じような呪いの眼―淫魔眼を持つ少女・宗谷美咲に出会ってしまう。その眼によって弱みを握られた晴久は、半ば強制的に退魔師史上最低最悪なチームを組むことに。初めてのまともなお仕事は、怪異「乳避け女」との大活劇。今宵も街には嬌声が響き渡る。それは紛れもなく、昇天の証明。ポンコツ退魔師たちが卑猥な能力で大活躍?ちょっぴりエッチな退魔活劇!!

 「下セカ」「ニドナツ」の赤城大空による新作。タイトルからぶっ飛んでいます。レジに持っていくのが恥ずかしいレベルのタイトルですね。

 「下セカ」の直後にこれが刊行されたのであればそういう路線か~となる気がしますが「ニドナツ」が挟まったせいでもう完全に訳がわからなくなりました。あとがきによると「ニドナツ」があったからこそそれを代表作にできるしもっと下品な作品を書くぞ!となったそうです。やばすぎですね。

 タイトルのインパクトが凄すぎるのですがその内容は何ともびっくりなことに普通に面白いです。

 「下セカ」ではストーリーの本筋がそもそもぶっ飛んでいたのですが、今作は大まかな展開だけ見ると普通なのです。主人公の呪われた腕を持つ少年がその力を隠して中等部の3年間、そして高等部が始まっても学年最下位の落ちこぼれとして過ごしているのです。普通に俺TUEEEしそうなありがちなラノベです。というか実際にします。

 ありがちなストーリー展開ですがありがちではないのが勿論下ネタを絡めた設定。

 主人公・古屋の絶頂除霊は突いた相手を絶頂させたついでに悪霊怪異を昇天させ、メインヒロイン・宗谷の淫魔眼は見た相手の経験回数、経験人数等の性情報を勝手に浮かび上がらせる、とそれぞれぶっ飛んでいます。これらを始めとしたキャラクターや世界観のイカれているとしか言えない設定がストーリーの細かい部分や会話の端々に丁寧に活かされていてその下らなさに思わず笑ってしまいます。

 文章力のある作者(下ネタでは特に)によるネタと、それだけ切り離して考えると普通な気がするストーリー展開が巧妙に絡み合い最高のエンターテイメントとして完成されています。

 タイトルで敬遠してしまいそうな作品ですが、非常に面白く次巻も楽しみですね。

 

 どうでも良いですが個人的なヒロイン勢の推しは楓です。