Just Because!(ジャストビコーズ)10話「Childhood's end」感想・考察
Just Because! 10話「Childhood's end」
絵コンテ:林直孝、小林敦
演出:高村雄太、林直孝
作画監督:ランチ・BOX、小美野雅彦、滝吾郎、福田周平、小澤円、室山祥子、舘崎大、関口雅浩、浦野達也、福井麻記、田中優士
総作画監督:寺尾憲治
あらすじ
姉の美奈に「お姉ちゃんの大学は受けない」と宣言した美緒。美奈からは「がんばれ」とエールをもらう。それは、美緒が持っていたバレンタインチョコの包みに対しての言葉でもあった。
迎えたバレンタイン当日。
陽斗は葉月に呼び出されて、一緒に草野球のグラウンドに向かう。そこで、葉月はここ最近ずっと練習していた陽斗の打席曲をトランペットで吹いてくれる。
演奏が終わったあと、葉月は告白に対する返事を陽斗にする。今は付き合えないと。春になれば、葉月は兵庫の女子大に通う。離れ離れになる。陽斗は社会人となり、お互いに相手のことを考える余裕がなくなると思うから。食い下がる陽斗に対して、葉月は、だからお互いの生活が落ち着いて……そのときでもよければ、付き合ってほしいと返事をするのだった。
一方、瑛太にチョコを渡そうとした美緒だったが、ふとした切っ掛けで瑛太のスマホの待ち受け画面を見てしまう。設定されていたのは、恵那を撮った写真。恵那が悪戯で設定した写真でもある。けれど、そんなことを知らない美緒は、その場から逃げ出してしまう。
そんな自分の反応に、美緒は自らの気持ちが本物で、本気であることを実感した。(公式HPより)
Childhood's endということでこれはOPの歌詞にある「記憶の君に告ぐさよなら」だ~~!!と思っていたのですが全くもってそういった意味合いではありませんでしたね。単純に幼年期の終わりということで各キャラの成長、決意のようなものが表されていた回でした。
ここのところ見れば分かるわ!という話ばかりで話数ごとに記事を書くのも難しいのですが頑張って振り返っていきたいと思います(?)。
感想・振り返り
OPの新規カット
ここにきてOPに新規カットが追加です。ラストカットに赤本が追加されました。
受験が重要になっているのは分かりきっていることですが、これ以降の話で受験、そして進学先絡みがより重要になっていることを表していますね。上叡大学の上に花びらが2枚ともあるのが瑛太と夏目の暗喩になっていると良いですがどうなるか。
"自分で決めた"夏目とすれ違い
前回の森川との会話で夏目の自分自身への気付きとなったと書きましたが、アバンでの姉との会話で「本当だって、自分で決めたことだから」と明確に言葉にしました。8話にて夏目のアイデンティティについて問題提起されましたが9,10話で自分自身と向き合っていく様子がしっかりと描かれ、一歩ずつ前に進んでいる様子がよく分かります。
また、森川との距離が縮まっている様子も細かい描写で描かれています。2話でえのすいに行った段階ではただのクラスメートだったとは思えない雰囲気でしみじみしちゃいますね。
さて、そんな夏目ですが肝心の瑛太とすれ違いまくり。も~~~~~となってしまいます。
正直とっととお互いの気持ちを打ち明けんかい!wと思ってきてしまうこの頃ですが夏目の瑛太への想いをより確固たるものにするための描写として十分必要であるとも考えられます。
相馬への気持ちに区切りを付けて以降瑛太のことを考える描写は多かったため視聴者としては分かりやすく夏目→瑛太が描かれていました。しかし夏目自身の気持ちとして明確に瑛太を意識しているシーンは意外と少なく、自分の意志で物事を決めることと一緒に浮き彫りになった瑛太への想いは自覚しきれていなかったのかもしれません。(バレンタインチョコ用意しておいて自覚しきれていないというのも若干怪しい意見かもですが。)
しかし、このシーンを経た夏目の「私、完璧本気じゃん!」で瑛太への気持ちを完全に自覚します。何度か書いていますがキャラクター自身が自分の気持ちを自覚することの重要さを改めて感じたシーンでもありましたね。
小宮の想い
相変わらず小宮は無敵すぎて小宮恵那~~~~となってしまいます(?)。本当に瑛太が好きだからこそ幸せになってほしくて瑛太と夏目とのことは応援している小宮。そこが拗れるきっかけに自分の悪ふざけが絡んでしまって罪悪感のようなものがあったみたいですね。
応援するとは言っても小宮は全くもって諦めている訳ではないし何もかも健気すぎて本当に大好きです。改めてちゃんと告白もしてしまうし瑛太もちょっとデレてきているし大変大変。
森川の成長と"Answer"
相変わらず小宮パートはあっさり振り返り次へ。
今回でついに決着した森川-相馬。最終的に森川の告白となった訳ですが「大学生活が落ち着いた時、まだ私で良いなら付き合ってください」ということでこれもある意味キープという風に聞こえてしまうかもしれません。勿論6話でのキープとは全く違う意味合いなのですが分かりやすく、何か書くか微妙なところですが少し掘り下げていきたいと思います。
前回は自分自身の答えが分からず一旦考えさせてほしいということでしたが、今回は自身の答えは明確になった上で相馬を思いやった回答になっています。言葉回しが少し分かりにくいと言えば分かりにくいですが森川は完全に告白をしていて、しかも大学に入った後もずっと好きでいるという様なことを言っています。
「私には自信がない」という発言がありますがこれはその慎重で控えめな性格から自分に自信が持てず、離れ離れになった後も相馬にずっと好かれている自信がないというような意味合いだと感じます。そのためこの段階で関係を決定づけようとせず離れ離れになり新しい生活に落ち着いた時、相馬が森川のことを必要としなくなっていても良いような相馬を思いやった保険のかけかたと言えるでしょう。また「まだ私で良いなら付き合ってください」とこの場面で言い切っているのが森川はずっと好きでいると言っているような部分ですね。
特に夏目と共に成長していると感じられる描写が多かった森川、本当によく考え成長し最高なキャラクターとなりました。
ということで森川-相馬はこれにてほぼ終了。夏目と小宮はラストスパートをかけてきた感じなので残り2話でどう動くか楽しみです。