ふるめも

アニメ、アニソン、ラノベ、イベントなどの感想、レビュー的なもの。

「Eクラス冒険者は果てなき騎士の夢を見る「先生、ステータス画面が読めないんだけど」(ファミ通文庫) / 夏柘楽緒」感想・レビュー

 新年1冊目。ですが発売したいのは昨年の10月末。永遠に積読本が減らないのでもうちょっと頑張っていきたいところです。

個人評価:★★★☆☆

“ステータス”―それは神が与えし才能を示す唯一の指標である。この世界ではそれが人生のあらゆる場面で重視され、一生つきまとう。騎士団に入ることを夢見る青年ライは、認識できないステータスを持つことでまともな職にも就けず、万年Eクラスの冒険者に甘んじていた。しかし、その剣筋は並の冒険者には視認できないほど疾く、高レベルの魔物をも瞬殺する実力を持っていて―。定められた運命に抗う、落ちこぼれ冒険者の英雄ファンタジー、開幕!

 『ステータス』を開示することにより自分や他人のレベルや能力値が分かる世界。それにより職を始めとした様々な生活が決まるこの世界で文字化けのようなステータスにより能力値が全く分からない青年ライが騎士を夢見て奮闘する物語です。

 当たり前のように実は強いパターンです。しかし能力や才能が数値化していてそれに基づいて生きている世界において、何も分からない未来に向かって夢を追い求め努力し続けるカイの姿は作品のテーマを読者の胸へと突き刺し、またどこまでも応援したくなるような主人公らしさも備えています。

 かなりステータス準拠の世界観でありながら読み解けないステータスには特例を認めず最低限として扱ったり、自覚していない強さに気付いている周りのキャラが教えなかったりとツッコみたくなる部分もありますが、軽く読めるけれど熱いストーリーはこれぞラノベの王道ファンタジーといったところ。

 一人称視点ですが視点となるキャラが章ごとに変わっていきます。そのため若干読みにくく感じましたが、視点が変わるからこそ気付けることもあるため好みが分かれそうですね。まあ良くも悪くも普通に面白かったといった感じなので今後の展開で物語がどう動いていくか楽しみです。